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部屋とYシャツとわらG

部屋とYシャツとわらG

小学校3年生 2学期 その1

2007/09/04
これも交流 「障害児と生きる日常(38790)」 [ 最近のことの日記 ]
 Sが、通常級に給食交流に行く時は私がついて行くのだが、座席は教卓の目の前の班の一番前側だ。

 最初は、「慣れているお友達」についていたのだが、人が変わっても平気になってきたので、「場所指定」で、班員が変わっていくようにしてもらった。

 この場所は、みんなからも見られるし、配膳の時にみんながそばを通るし、ひそかなおかわり(本当は全部食べる人しかできないがSは人気のない野菜などを勝手におかわりする)もしやすいし、気に入っている。

 が、前から一つ心配だったのは、配膳の最後に「スープ類」をついで、そのお盆を持った児童が私たち親子のそばを通ること。通路が狭い時は頭の上を通過する。

 そして、今日、来た。

 「アチーーーー」と突然の出来事に叫ぶ私。

 あわてたのか、急に振り返ったのか、食いしん坊のN君のスープがこぼれて私の背中直撃!

 熱さはすぐにおさまったが、こぼれたスープの具をふいたり、私の服をふいたり、本人よりも交流学級の担任の先生が大あわて…。

 「大丈夫ですか、先生!」と言っていたが、私が他のところの先生なのを知っていてつい言ったのか、動揺して口癖が出たのか…。

 センター方式の少し冷めたスープだから助かったが、自校式熱々スープだったら病院送りだったかもしれない…。 

 ちなみに、Sは「俺には関係ないぜ」と言わんばかりの何食わぬ顔で、自分のせんべいを勝手に取り出して食べ続けていた…。

 給食の終わる頃、Sが食べないハンバーグを、「誰か食べる?」と近所に座っている人に聞いたところ、「食べる!」と言ったのは、さきほどスープをこぼした食いしん坊のN君…。

 とてもうれしそうだったが、今日の給食の記憶が、「S君のお父さんにスープをかけた」ことではなく、「S君のお父さんにハンバーグをもらった」といううれしい思い出だけになってしまうと困るのだが…。

 反省して、気をつけてくれ!

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2007/09/15
ベッドのマットの下 「障害児と生きる日常(39217)」 [ 最近のことの日記 ]
 自閉症児はジャンプが大好き!…という子をたくさん知っているが、うちのSもご多分に漏れず大好きである。

 地上では常動行動と言えるほどはしないのだが、ベッドなんてあると相当果てしなく跳び続ける。

 旅行先で、ホテルにベッドがあると落ち着くのはたぶんそこで飛び跳ねて心のバランス?を整えるのだと思う。

 2階には、ベッドが2台あるのだが、Sが過ごす時間の長い居間のベッドは、長年の彼のジャンプに耐えかねて、とうとう土台の木がボキッと折れてしまった。

 先日取り外してベッドの下を掃除した時にひびを確認していたのだが、そのまま一気に折れるとは…。さすがはもう22.5kg。

 そして本日、気合いを入れて、『平成の大修理』を行うことにした。

 朝から、ベッドをばらして、メジャーを探して、寸法を測り、やっとホームセンターへ。

 補強用の合板と垂木のサイズの合うヤツを探し、やっと購入。

 この店のすばらしいサービスだが、使うのは日曜大工好きの人にとっては恥かもしれない…という「指定の寸法に切ってもらう」というのを実行。ちょうど5カ所無料期間中で、13カ所切ったのに、160円(20円×8カ所)ですんだ。自分でのこぎりでやっていたら…と考えるとものすごく助かった。(ケチらなくて良かった)

 さて家に帰って、作業開始。駐車場にベッドの板を運び込み、試行錯誤の2時間。

 折れた木をつないだり、補強用の棒を縦に入れたり、横に入れたり、さらに天板部分を重ねていったり…なかなか会心の作だ!

 補強した天板の裏側。元は縦の棒3本のみしかなかった。

 折れた部材を26円の金具でつなぐ。

 心残りは、寸法を採る時にちょっと適当だったので、やや短い部材やはみ出る天板があること。しかし、どうせベッドの下に入るのだから、Sへの対策としては万全だ。

 修理後のベッドの天板。2枚ともギリギリ入った.

 買った金づち代1000円を入れても4700円で収まった。 

 これなら自閉症児のいる家庭を相手に1万円くらいで、「ベッドのリフォーム・自閉症対策」として商売できるかも!

 お店に木材切ってもらっている…っていうのが弱いなあ。のこぎり、うちにないし(笑)。

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2007/09/24
マラソン 寝室版 [ 最近のことの日記 ]
 二宮君が主演した「マラソン」について、他の方のブログやミクシィなどで情報をのぞくと、やはりその演技力は絶賛され、さらに今まで自閉症について知らなかった方々に興味が広がっている様子がわかり、その影響力に驚いた。

 さて、我が家の自閉症児Sは昨日はお彼岸の墓参りに親戚宅へ。あいにくの雨でお墓に行かずに親戚宅に少し居ただけだったが、「この家は、あのイタズラだぜ!(推定)」と言わんばかりに、2階の部屋に猛アタック! そう窓から出て屋根に登ったあの日以来の訪問。感心するくらいそういうことは忘れていないらしい…。

 親戚宅に居る間中、何度も行こうとしては止められ、一泣きしてやっと落ち着いた。


 夕方は自宅の2階で私とゴロゴロ過ごす。

 2階の他の部屋をうろうろしては、何かを持ち出してきていて、その「書類」はちぎってはいけない、その「さいばし」は持っていてもいいけど口に入れてはいけない、その「広告紙」はちぎってもいいけどちゃんとゴミ箱に入れろよ、その「ヘルメット」はかぶって遊んでいいけど、つばは塗らないでくれ、その「ロープ」はどこから持ってきた?……と、次々と探すいたずらにおちおち昼寝もできない。

 妻の化粧箱ケースからなにやらピンク色の10cmくらいの小瓶を取り出していじっていた。何か乳液だか化粧水のようだったが、瓶をさわっていただけなのでまあOKとしたのだが、振り返るといつの間にかその中身を出して手がべたべたに。

 手や瓶を洗って、片づけながら、「この中身は出しません」と注意。

 そしてしばらくパソコンに向かっていると、となりの寝室に行ったSはおとなしく布団に潜っていた。もしかしたら寝るかも…なんて期待をしながら、しばらく安心していると、そのうちやたらと規則正しく継続した足音が聞こえてきた。

 なんだろう?と思い、寝室に行くと、甘い香りがプーン!

 床を見ると、いつのまにかまた盗み出されていた先ほどのピンクの小瓶が転がり、中身がフローリングの床に広がっている。

 その床のべたべたというか油でつるつるの上を、両手を窓のさんに手をかけたSが、ドンドンと音を立てながら、足が滑るのを楽しみながらのジョギング中! さしずめ、昔懐かしい『ルームランナー』のような光景だった。 

 床をふいていればそこに足をつけに来るし、先に足をふこうとすると逃げ回って被害が他の場所や布団に広がるし、とんだマラソンランナー…。

 そして何が腹立つかというと、その間中、Sは終始にこやかに大笑いしているのであった。楽しくってしょうがない…という笑顔はほかのときにとっといてくれ。

 虹の下をくぐる二宮君…とはだいぶ違うぞ。 

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2007/09/27
妖怪と思ったものは… [ 最近のことの日記 ]
 この記事で気分を害される方がいたらごめんなさい。先に謝りますが、自閉症児の父親のたわごとと言うことでお許しください。

 たった今、夕方一緒にゴロゴロしていたSに、顔をぺろりとやられた。昔は「顔スリスリ」とほおをつけ合うのをよしと家族でしていたのだが、最近は油断すると「舌」が出てくるのでみんな警戒している。そうされないように「チュッ」は口を閉じる!と練習しているのだが、なかなかできない…。ほおをつけ合っているそのくちびるから、いつのまにか横向きにベロがすすすーと伸びてきている…。

 そんなアホな「チュッ」の練習をしていて(だって欧米ですらあいさつのキスの時に舌が出てきたらさすがにびっくりだろうし)、そういえば…と思い出した。

 数日前の夜中、突然私は、「昔の妖怪、実は自閉症児説」を思いついたのだった。


 その日、私はぐっすり寝ていた。Sはいつまでも起きて一人で騒いでいた。そういう時は無視して先に寝てしまう。そうしているうちに横にもぐり込んできてヤツは静かに寝ることが多いのだ。


 この日の真夜中、私はうなされるようにして目を覚ました。夢でも実際にうなされていたのだが、なにか「なめくじ」のようなものが顔をはっていて、なかなかとれない…夢の中でも現実でもそれを取り払うのだが、なかなかとれない。

 はっと目を覚ますと…もうお気づきの通り…なぜか上半身はだかのSが、暗闇にニヤリと笑って、自分の舌を前に突き出していた…。

 絶句…。

 「ペロペロしません。」といいつつふと思い出したのが、小学生の頃読んだ妖怪大辞典に載っていた「妖怪あかなめ」。

 この妖怪は、夜中に天井からぶら下がってきて人の顔をなめたり、お風呂の湯船をなめていたりする…という謎のこども妖怪。

 「お前は妖怪あかなめか!」 と、言われてもわからないSにつっこみながら、考えた。

 江戸時代とかも、自閉症児はいただろうけど、ひそかに殺されたり、生活にゆとりがあるうちなら「座敷牢」とかに閉じこめられて世間から隠していたケースもあるだろうと聞いたことがある。閉じこめられてるふり(他と関わらずにその部屋で好きにしていられるならそれも可と本人がするかもしれない)をしながらも、実は抜け出し方を本人は知っていて、夜中とか必要に応じてうろうろしていて、その子の存在を知らない兄弟あたりの所に出たら、完全に妖怪あつかいだったのでは…と勝手に考えたのだ。

 「あかなめ」に続いて、じゃあこれも…と思ったのは「座敷童(ざしきわらし)」。


 こどもたちが遊んでいるとそこに無表情にそっと入ってきて、当たり前のように遊んでいて、ニコニコしていて、いつの間にかいなくなっている…「さっきの子誰?」 「知らない」…なんてまさに座敷牢から自由に出入りしてふらふらしている自閉症児のよう…。昔の絵では山下清的な風貌といいかなりありそうな線だ…と思い始めた。

 かなり無理をすると「子泣きじじい」も。

 道ばたで泣いているこどもがいる。たぶん鳴き声とその激しさは暗がりでは赤ちゃんみたいに思うかもしれない。背中におんぶ。最初は軽く感じてもそのうち重くなる。これは重さが変わらなくてもおんぶする人が疲れればそう思うはず。そのうち、泣きやんで、おろそうとしても抵抗して絶対に降りない。謎のことばをしゃべる。振り返って顔を見たら大人っぽい。「キャー」とか言いながらおろそうとしてもさらに怒ったりしてきそう。そうこうするうちにおんぶしてくれた優しい人がこけて倒れてしまう…なんてありえるかもしれない。

 ということで、我が家の「あかなめ君」から思いついた江戸時代の勘違い…そして生まれた妖怪話…結構まじめに思ったことなので、不謹慎だと思った方すみません。

 いずれもかわいい妖怪ばかりと言うことでお許しを。

 あれ、前も書いたかな。それとも誰かに言っただけかな。

 「小豆洗い」なんていう山奥にいるとされるのも、もしかしたら大好きな水遊び…。

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2007/09/29
光とともに… [ 最近のことの日記 ]
 交流給食の時に、Sの席のそばにいて、いろいろお世話をしてくれる女子が二人いる。


 MちゃんとYちゃん。

 先週気がついたのだが、Mちゃんが給食準備中の待ち時間に読んでいる本は『光とともに…』第2巻。

 もちろん私も読んだことがある。(テレビドラマ化もされた自閉症児とその母などの奮闘を描いたレディースコミックです)

 「そうそう、Sはしゃべらないけど、光君と結構似てるんだよね!」と話題を振ったのだが、あまりピンと来ていなかった…??

 もしかして、マンガはマンガ、目の前の変わった子は目の前の変わった子…と特につながってないのかも。

 Sのために自閉症を勉強していたらそれはそれですごいけど、それは関係なくても、よく声をかけたりしてくれるいい子たちである!

 何よりも魚の皮をすすんでくれるのがすばらしい(笑)。

 まさか、このマンガは交流学級の先生が用意してくれたのか…と思ったが、図書室で借りたらしかった。

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2007/09/30
お祭り [ 最近のことの日記 ]
 地域のお祭りが3日間あった。

 初日は、お御輿やお囃子は出るが、出店(いわゆるテキ屋さんの)はまだ出ない。なので、お神輿を担ぐわけでなく、お祭りムードを楽しみに行く程度の我が家は、初日は特に外出しない。

 初日が金曜日だったので、小学校で、「今日からお祭りですね。」とか「夜、出店で何か買う人?」とか話があったのかもしれない。 

 Sはしゃべれないので、「お祭りに行く」とは言わないのだが、夕食後、いきなり家用のズボンを脱ぎ捨て、外出用の出してきてひとりでズボンをはいていた。

 「なんだろう?」と思いながらこちらは夕食を食べていたのだが、しばらくすると靴下まではいて玄関にいる。日頃はひとりでは靴下をはけないんだけど(笑)…。

 玄関で、「うー」とうなって要求していて、やっとわかった。

 夜の外出が好きなSは、たぶん学校でお祭りの話を聞いて、「今晩、それがあるはずだろう、連れて行けよ!」とアピールしているのであった。

 家族みんなで、笑いながらも、「そういう話がわかるようになったんだ」と感心。

 しかし、ここからが大変だ。その日行ってもお目当てのことは特にやってないわけだから思いとどまらせなければならず、「明日、行きます」と何度も行って、他の楽しみ(2階でビデオを見よう)で必死に説得。珍しく泣かずに2階に移動できた。


 そして翌日、散髪したり、昼食を外食したり、買い物に出たり、一日結構出歩いたので、「夕方はもう泣く時間かも」と思われたが、「お祭りに行く人?」と聞くと、ノリノリ状態(笑)。

 夜の街を混雑の中かなり歩いたのだが、とにかくいい子で「おんぶ要求」とかをせずに自ら歩く。毎年行っているとはいえ、3歳の頃は泣きに行ったようなものだったし、一昨年くらいまでは肩車やおんぶで私が体を鍛えに行っているようなものだったので、とても助かった。9歳の今では22kgの大荷物なので…。

 幹線道路沿いに1km弱の範囲に渡って出店があるのだが、途中で神社にも寄りながらほぼ1往復した。

 お店の前を通る時、Sは食べ物をまったく欲しがらないのだが、光り物や水には強く反応する。

 金魚すくいや亀すくい(こんなの初めて見た)とかスーパーボールすくいとか水があるとひとまず手を入れようとするので、今回はとにかく阻止。親は、帰り道で買うため(自分が食べる)の食べ物に目を光らせながら、そして知り合いにあいさつしながらすすむ。

 そして、「絶対にお高いお値段です…」と思われる『光る剣』がたくさん置いてあるところにSは突撃! 他のものを買うわけではないので、「好きなの選んでいいよ」と言うと、30本くらいある中で、ひときわ目立つ、なぜか少し曲がってしまっているやつ(笑)を手に取った。

 1050円也。

 後は、歩きながら、その光る剣をさわったり、振ったり、落としたり、地面についたり…。家まで無事に持って帰れるか怪しくなったので、時々こちらであずかりながら戻った。

 途中、剣を光らせて、いきなり通りがかりの人を「ビシュウッ」と切ってしまった!


 通りがかりのお姉さんに、「すみません」と謝ると、さっき一度会っていた高二の卒業生(地元中学での教え子)であった。しかも在学中は毎朝通学で会っていたのでSがどんな子だかもわかっている相手。

 思わず、「ああ、知り合いで良かった」と胸をなで下ろすのであった。

 それにしても、夜のお出かけだと、これだけ歩くし、このご機嫌さ…。日頃、朝、学校に行く時の大変さ(起きない・食べない・歩かない)が嘘のようである。

 もし、定時制の小学校特別支援学級・学校があると、うちの子、もっとがんばれるのですが…。

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2007/10/05
備えあれば 「障害児と生きる日常(40497)」 [ 最近のことの日記 ]
 以前から、何か怒ったりした時のSの行動で、2階の居間のベッド脇からベランダに出るところのアルミサッシを蹴るという行動が目立っていた。

 しつこく強くやるので、いつもガラスは割れる一歩手前。よく割れなかったなあ…というくらい蹴ったこともあった。

 もうやばい…と感じ始めた私は、「ガラス飛散防止シート」を貼ることを思いつき、先週、またもやホームセンターへ。

 4000円くらいでガラス2枚分(77cm×160cmのガラス)のシートを購入した。

 しかし、貼るのは素人には大変、比較的器用な妻と二人がかりで1時間以上かけてやっと貼った。

 そんなに大変だとは全然書いていないのだが、こんな作業をもし一人でやっていたら、取り返しがつかないくらいぐちゃぐちゃになったと思われる。

 めざといSは、まだ乾燥して貼り付く前に、異変を発見して、端からシートを「ツー」と引っ張ってはがしたりもしてとても迷惑だ。誰のためにこんなことやったと思っているのか。



 さて、それから1週間、本日昼寝から目覚めたSは夢でうなされたのか、起きたかと思えばいきなり洗濯物用のカゴを投げ飛ばして壁にぶつける大荒れ。

 「何やってんの!」としかられたら今度はベッドにまたもぐり込み、ガラスにキック!

 「やめなさい!」と言われながらの数発目……とうとうガラスが割れた!


 「あーあー」と思う気持ちや、「この野郎、調子こきやがって!」という怒りよりも、「あー、はっといて良かったー」という安堵。

 

 「備えあれば憂いなし」…と言いたいところだが、気分はすっかりブルー、今後のことを考えると「備えあっても憂いあり」…である。

 せめてもの救いは、ガラス割った、蹴った足をガラスで切った、ガラスの破片はベッドに飛び散った、風が外から吹いてくる、それでもまずは病院に行かなきゃ…とならなかったこと。

 『飛散防止シート』のおかげで、『悲惨防止』には成功したのであった。 by親父

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2007/10/12
割れにくいガラス 「障害児と生きる日常(40497)」 [ 最近のことの日記 ]
 先日Sが割った2階の居間のガラス…未だにガムテープ裏貼り状態である。

 一度、「自分が蹴って割ってしまう」ことで、強く反省してもうしない子ならいいのだが、残念ながら我が家の自閉症児はしつこい(笑)。

 今でも、ガラスの横のベッドに寝ころび、「うー」と言いながら、「蹴るぞ」という仕草をしたり、大泣きしながら本当に蹴ったり…また割ることまちがいなし。

 そこで、とにかく安全で、割れにくいガラスを入れようと考え、ガラス屋さんに話を聞いたり、インターネットで業者を探したりした。

 地元のガラス屋さんが、大きなサイズだから、普通のガラスで1万円、強化ガラスで3万円かな…と言いながら、他の種類での問題点や、大手でないと特別なガラスは注文して切ってもらうから高くつくなど、親身になってい教えてくれた。

 今はやりの防犯窓(割れても飛び散らない)セキュアシリーズは、お値段が結構する。泥棒のこじ開けに効果を発揮するそうだが、うちの「蹴破り強盗(笑)」は中から蹴るし、穴が空かなくてもガラスが割れるのは同じだろうし…。
高級モデルになると10万円超である!

 最終的には、とうとうガラスそのものではなくて、厚さ5mmの『ポリカーボネイト』板を入れることにした。傷が付くとかたわむとか美しくない…とかどの業者もあまり乗り気ではないのだが、「とにかく割れない」という点に置いて、現状ではベストなので、実験的に入れてみることにした。

 窓枠とガラス(実際はポリカ)の間は、通常のゴムではなくて、ゴム素材の接着剤みたいなやつでコーティングして、衝撃ではずれるのを防ぐ。

 ちなみに、このポリカーボネイト、高校生の時に野球部のホームラン対策で音楽室に入れてあったのを見たことがあったが、思いっきりパンチしても割れなかった。(するなよって思うでしょうが、音楽の先生に「割ってみろ」と言われてやってみた)

 ただし、「火に弱い」という欠点があるらしく、後日、ライターでイタズラされて穴が空いていた…。なので防犯には向いていないらしい。

 さて、絶対に割れないガラス…すでにガラスではなくなったがそのお値段は…

 たて162cm×横79cmの窓で

 65000円! (工事費・出張費・ガラス処理費・コーティング込み)

 金のかかることよ…とほほ。

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2007/10/13
ガラス採寸 「障害児と生きる日常(40497)」 [ 最近のことの日記 ]
 先日の「割れにくいガラス」を選択する上で、いくつかの業者に見積もりを出してもらったり、どの種類のガラスがいいか相談していた。

 その際、何社かと話をするうちに、説明をしたかどうか忘れたのが、「割った男、そしてこれからまた割るかもしれないのは、『自閉症』児のSであること。

 その場所で大泣きした時に気を引こうとしてわざとやる…というような話をしそこねていて、向こうも突っ込んで聞いてこれないし、「息子がこれから先、さらに強い力で窓ガラスをけっ飛ばすその対策」という所だけ話していたような気がする。

 むこうはたぶん、「結構大きなお兄さんが、2階の自分の部屋に引きこもっていて時々暴れて、またガラスを割るかもしれない…」そんな風に思われていたかもしれないなあ…と少し気にするのであった。


 今日は下請け業者?のお兄さんが採寸に来た。そのために部屋の大掃除をし、たくさんの荷物を隣の部屋に運び込み、朝から大騒ぎ。

 その窓は、ベッド脇にあるのだが、マット以外の布団を隣の部屋に運び込み、その上に作業用ビニールシートを引くなどした。

 Sはその隣の部屋のベッドで、大量の布団に挟まれてうれしそうにもぐり込んでいた。


 これなら作業のじゃまにならなくていいな…と思っていたのだが、採寸のお兄さんが部屋に来ると、突然隣の部屋から走って来て、ベッドの上で飛び跳ねまくり…。

 手を取って連れ出そうとするのだが、逃げながらも飛び跳ねて、人の手を振り払う。


 しばらくしてやっと下の階に連れ出せた。

 採寸自体はすぐ終わり、来週までに切って持ってきてくれることになった。お兄さんが帰ろうと階下の玄関に降りると…またSが出没。

 なんだか気に入ったようで、お兄さんと握手……だけのはずが、最後に薬指をなかなか離さない(笑)。

 強く握って離さなくなり、やっとの思いで私が取り外した…。

 ひとまず、ガラス屋さんに、「なぜガラスが割れるのか。そしてなぜまた割れそうなのか。」 少しは理解してもらえたかもしれない。

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2007/10/16
発達検査 「障害児と生きる日常(40497)」 [ 最近のことの日記 ]
 来年度の市内養護学校への転学に向けて、いくつか書類をとらされた。

 主治医の診断書と発達検査の結果の書類を添付しろとのこと。

 「絶対にそっちに行きたい!」といって変わるわけではないのに、なぜこちらがいろいろせねばならぬ…と矛盾は感じながらも今日のSTはその発達検査をしてもらった。

 ちなみにその矛盾を「提出拒否」という形で示して都道府県教委からの呼び出しを受けてひともめしようと楽しみにしていたのだが、門前払いどころか書類が受理されずというか市から出せず、市教委と学校長から呼び出しではなく必死でお願いされる…という予定外のこととなった。学校に迷惑をかけたり戦う気はなかったので、この書類を出すことは受諾した。(ただし勝手に裏面に領収書を貼って出す予定だが…)

 このお願いの時に、「転学届けの書式が書きにくい、失礼、頭に来て書き換えた」…ということに市教委(指導主事)がずいぶんと理解してくれて、「入手して、読み直してみて、市の書類の書式を改めます」と言ったので、「後に続く人たちの役に立った」とこの日は結構ご機嫌となり、つい診断書と発達検査の費用のことについては忘れて、「じゃあ、出します」と約束してしまったのだった。

 で、今日やったその発達検査は、『新版K式』という一般的なヤツだった。一般的なヤツだと自閉症児は苦手で、実際の実力がはかれない…ということで今は新しい検査方法が次々に開発されている…というような話を本で読んだことはあるのだが、私の身のまわりでは未だにこの検査ばかり見る。基本なのか役所の指定なのか、なんなんだろう?

 養護学校中学部の教諭だった年、学校ボランティアのカウンセラーがクラスの子たちのをやってくれたのだが、この時も、各自、生活年齢2歳6ヶ月…とかなって、「いくらなんでも、そんなバカな!こんなにいろいろできるのに。」と思った記憶がある。

 まあ、どちらにしても「検査ができるような相手ではない(笑)」我が家のS君なので、何でもいいやとは思ったのだが…。

 で、始まると、いつものSTの先生がいつもの場所でやるものだから、いつもの勉強だと思い、ものすごく乗り気だし、ものすごく真剣。今日は機嫌も良かったので、まじめに取り組んでいた。

 ○△□などの木の『型はめ』は余裕でクリア。同じような図形の平面でのマッチングもクリア。指定の図形の形を見て、それを表から見つけて指さしする…も時々まちがうがなんとなくクリア。

 しかし、このあたりからすでに、「何をやるのかがわからない」という???マークが出始めていた。日頃の学習では、一度見本をやってくれると真似てできるようになってきたのだが、それがないと口で説明されてもできない。もちろん、検査だからそれができないので、自閉症児向きではない…ということなのだが(たぶん)、ここから先の珍回答ぶりは、見ていてつい吹き出してしまうようなものだった。

 大きさの違うカップを、全部が入るように入れる検査(ロシアの人形みたいに大きい方から入れていく)では、たまたま使用したカップが黄色と緑色だったので、いきなりその2種類に色分けをして、それぞれまとめて重ねていった。「ひとつにして」っていくら言われても2色を混ぜることは許さない(笑)。

 ○△+など記号を見せられて、「同じように書いて」と言われると、いきなり「元の用紙」をなぞり始めて、「これはずっと使うヤツだからこっちの紙に書いて(先生、必死)」と言われると、まったく関係のない絵(べた塗り)をシャカシャカとまじめに書く(笑)。

 積み木で先生の作ったものと同じものを作る…と言われても、先生の作った作品の上に、楽しそうに自分の手元の積み木を全部一直線に積んでいく(笑)。トラックの形に上にも、トンネルの形の上にも、見事な塔を打ち立てた(爆)。

 小さな犬の置物を赤と青のカップのどちらかに入れて、左右をくるくる入れ替えて、「どっちに犬は入っている?」とたずねると、Sはずーっと目で犬の入っていた方を追いかけているから正解できるのだが、「一つ開けて」と言われると、毎回見事に両方を同時に開く。わかっているのに正解にならずこれは残念!

 折り紙を2つ折りにするのは真似できたが、「ハイもう一つ折って」と4つ折りに先生がすると、いきなり自分の折り紙を丸めてポイ!と捨てる。

 カードを見ながら、言われたものの名前を指さす…なんて時は、もう終わらせるためだけに適当にやっているのが見え見えで、適当に「うー」と言いながら指さしをする。まるでわかっているかのようにやっているが、ページが変わっても常に左下の絵を指しているだけなので時々偶然当たるだけ…。

 この説明では見たことない人にはまったくわからないかもしれないのだが、検査の内容がわかる人には、かなり笑える行動なはずである。

 ということで、ほとんど何もクリアしていない(笑)という結果になったが、驚いたのは、30分近く先生と正対して座って検査を受けることができたこと!

 これだけでもこの3年間の小学校生活での成長が見られて充分うれしいのであった。

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2007/10/20
ポリカーボネート 「ひとり言・・?(65534)」 [ 最近のことの日記 ]
割れたガラス、2週間近くかけてやっと入った!

調べるのに時間がかかり、どの材質にするかで時間がかかり、できれば休日に来て欲しいとこちらから頼んだので採寸と取り付けでまた翌週となったが、久しぶりに、窓からガムテープ越しではない景色を見ることができた。

ポリカーボネートなので、まず割れないけど、傷が付きやすく、たわみも出るかもしれない…と業者からはあまり薦められないものだったが、ついてみると今の所なかなかいい感じだった。

衝撃ではずれないようにと、まわりもゴムではなく、「コーキング」という工法で止めた。やるとなってから注意して他の建物とかに行くたびに見たのだが、家庭用はすべてゴムなのに、公共施設とか会社とかはたいていこのコーキングだ。

作業を見守ったのだが、仮止め、テープでのマスキング、でかいチューブのようなものでの注入、こてでさらに入れ込み、テープをはがし…と職人さんの動きがなかなかのものであった。

ちなみにポリカーボネートという素材…先週のニュースで、「新幹線の窓への導入」という記事があり、軽くて割れにくくて注目の素材らしい。もちろん新幹線に使うのはもっと10倍以上高いヤツかもしれないが、Sの破壊力も新幹線レベル(笑)か。

その仕事ぶりで目を見張った職人さん、玄関まで見送ると、最後に割れたガラスをガラスカッターで切って、3つ折りにして持って帰るというかっこいい技を見せてくれた。そしてかっこよく去る間際に、ガラスまわりのゴムを処理していて、突然、

「あいた!」と叫んだ。

何か開いたのかと思いきや、「あ痛!」だったようで、血がぽたぽた…。

飛散防止シートがしてあったガラスだから、割れてもガラスそのものは扱いやすかったようだが、まわりのゴムに少しだけ破片がついていたようだった。

職人さんは、こちらの手当の準備をやんわりと断り、ティッシュと紙のテープで強引に止血をしながら、「いやあ、しょっちゅうやっちゃうんですよー」ということばを残して去っていった。

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2007/10/21
ハイジ 「障害児と生きる日常(40497)」 [ 最近のことの日記 ]
 本日のSは公園に遊びに行って、うんていの上に立ったり、ブランコをしたりした後、買い物へ。

 車の中でおむすびやイカリングを食べて、サイダーを飲み…と我が家の休日としてはかなり普通に終わる……はずだった。

 家に到着して、車から降りた後、Sは家の玄関に向かわずに、離れの倉庫の裏に猛ダッシュ!

 ここには使わなくなったベッドマットが置いてあるのだが、すでに朽ち果てており、ぼろぼろのその上でジャンプ。そこまでは時々あることなのでただ見ていて「そろそろ家に入ろうよ」と促していたのだが、またさらに反対方向に猛ダッシュ!

 そこには、じいさんが、この夏、庭の草刈りをした際に積んだ、雑草の山があった。


 高さにして1mくらい。幅は横1m・たて50cmといったところか…そこに走り登って、あっ、危ないとか思う時にはもう上に登り切っている。

 思ったより安定しているとわかったのか、今度は飛び跳ねまくり…。そのうち、座り込んで草をぱらぱらとさせて遊ぶ。さらにそこに寝ころんで『ハイジの干し草のベッド』状態…。

 しかし、ここは外の野ざらしの草の山だ。干し草ではなくて、湿って、堆肥に近づいていく…そういう泥だらけの状態で、しかも大人はうまく上れないのでおろせないまま、目の前でみるみる泥まみれ…。

 こちらの呼びかけを無視できる喜び(悪いこと大好き)もあってか、ご機嫌でお山の大将はすごしたのであった。

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2007/10/23
他人んち(ひとんち) 「障害児と生きる日常(40497)」 [ 最近のことの日記 ]
 Sの小学校での付き添いボランティアのひとりがしばらく休むことになり、とにかく誰か入れなくては…というところで、地域の「ファミリーサポート」とうまく話がついて、提供会員さんを紹介してもらうこととなった。

 ややこしいが、私は依頼会員というヤツだ。通常は、提供会員さんの自宅での預かり保育や送迎などが基本なのだが、公共施設へ連れて行って遊ぶこともあるので、それを応用して、特別支援学級での付き添いもOKということになった。

 今日は、Sと提供会員さんとの顔合わせということだったのだが、「通常のパターン」でやることになったので、場所は小学校ではなくて、提供会員さんのご自宅であった。

 行く途中で気がついたのだが、Sはなんと、本日が『他人の家デビュー』である。ひとんちに行く機会がなかった。なんせ、何でもさわる、なんでもなめる、なんでもつばをぬる、そのうち破壊する…かもしれないあの男のこと、とてもじゃないがゆっくりできないから友人宅に連れて行ったりしたことはない。特に2~3歳の頃なら突然ひっくり返るし、何を壊すかも心配で、今以上に大変だったので、そのうち連れて行こうという発想すらなくなっていった。

 よその家といえば、私の下関の実家、妻の母方の実家(よく行くところだけど、例の屋根の上に出た家)……ぐらい。公共施設やスーパー、デパート、ファミリーレストラン、ホテル宿泊…少しずつ慣らして平気になっていったが、さて「よそさまのうち(ひとんち)」ではどうなることか。高級な壺とかがいきなり置いてないことを祈るようにして到着した。

 お迎えしていただいた玄関前をさけていきなり脇道へ。おそるおそる戻ってきて、一気に玄関から入場した。

 こたつが出ていて、まだこたつ布団はないのだが、形が掘りごたつ。「入る?」と聞いたが、激しく抵抗し、2部屋をうろうろうろうろ…落ち着きのない熊のように歩き回るところはさすが「新しいことが苦手な」自閉症児である。

 いろいろな打ち合わせや書類書きなど、サポートセンターの方のお話もあり、なかなか誰も席を離れられないでいると、だんだんSは大胆なことを始める。

 1階は、私たちのいる部屋とキッチンルームとトイレ・風呂などがあったのだが、扉を開けると1周してこれるので、勝手に部屋を出てくるくる回ってうろうろしている。そのうち、こちらから見えないトイレ・風呂側に行ったまま、音がしなくなった。

 「すみません」と中座して見に行くと、階段の上の方で足音がする…。

 「もしや、また、2階の窓から脱出!?」と心配になり、お断りしながら3部屋もあるこども部屋に次々私も侵入。3つ目の部屋で、うろうろしたのち、2段ベッドに登ろうとしているところを身柄確保!

 階段を上れなくするようなしきりもないので(普通の家にはないわな…。うちはあったけど最近破壊された)、とにかく上に行かないように言い聞かせた。珍しく、今日はよく言うことを聞いた。

 しかし、1階でのうろうろは相変わらずなので、変な音が聞こえると様子を見に行かなければならない。

 「カンカンカンカン」……行ってみると、どこで手に入れたのか、アサリかハマグリの貝殻を歯に当てて楽しんでいる。

 「ザザー、ジジジー、ザザー、ジジジー」……何かを引きずるような音を聞き、行ってみると、まさにどこから手に入れたのか、細い竹でできた釣り竿を持って天井に当てて歩いている(笑)。

 そのうち、やっと部屋に落ち着き、少しだけ掘りごたつに座ったが、その後はその足下、掘りごたつの中にもぐり込んだ…。

 ここが一番落ち着いたようであった。 

 1時間くらいいただろうか、勝手に物をいじったり持ち出したり、お茶を出すお盆につばを塗ってしまったり、スリッパを履いて和室に入ってパタパタ歩いたり…心配通りの面もあったが、思ったよりも迷惑をかけなくてすんだ。

 というわけで、本日、「他人んち」デビューは上々であった。

 ちなみに提供会員さんは、妻の幼少時、同じピアノの先生の所に通っていたり、他学年だけど息子さんが私の勤務校にいたり…で校内でお見かけしたことがあったり、とても縁のある方であった。とても優しそうな方なので、Sもすでに近づいてニヤニヤして、取り入っていた(笑)。

 さらに、現小学校校長は、昔、妹の担任教諭だった…ということで、なかなか心強い方が見つかったのであった。

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2007/10/26
スペシャルな運動会 「障害児と生きる日常(40497)」 [ 最近のことの日記 ]
 3市1郡地域の特別支援学級とその核となる特別支援学校が合同でおこなう『連合運動会』が行われた。

 たくさんの、『障がいを持つ子』たちが集まるイベントはなかなか楽しい。個人の種目は毎年同じ、徒競走と障害物競走(といってもマットで回って、でかい箱をくぐって、低い跳び箱を乗り越えるだけ)の2つである。で、午後は保護者も混ざって一緒にゲームや踊りをする。

 白が1番だ! 2番だ! と一応騒いでいるけど、紅白の得点集計もないし、障害物競走では、マットでの回り方も自分でやるか先生が転がすか自由だし、跳び箱の上に座ってくつろいでいる子もいるし(笑)、なかなかゆるーい空気が流れていて、知っている子が出ていないレースでもなかなか楽しいのだ。

 さて、うちのSの参加も3回目。毎年、なかなかまっすぐ走らないことで目立つ(爆)男もさすがに少しはゴールに向かうことの意味が見えてきてくれているといいのだが…。

 最初は徒競走。よーい、どんの合図とともに先生に背中を突き飛ばされるとやや遅れてそれなりにスタート。レース参加の4人のうち、両側の二人がちゃんと走る子だったのでそれにつられるように走った。でも全力ではなく競馬的にはいわゆる『馬なり』の流し走り…。

 でもちゃんとそのまま3位でゴールイン! 思わず、「普通に走った!」と変な感動のしかたをしてしまった。

 ゴールすると担当の先生に連れられていき、走り終わった人の列に座る。が、座ったかと思ったら、突然立ち上がってコースの方向に向かって猛ダッシュ! 隣りでその不穏な動きに気づいた他校の先生がすぐに追いついて確保。やはり普通には終われない。


 次は障害物競走。よーい、どん。Sの前回りは頭頂部分を地面につけて行ったり来たりして長く楽しむ…謎の前回りなので、先生に無理矢理回してもらわないといつまでもそこが終わらない。頭での1点倒立(笑)のあとの前転は変な向きになるので変な方向に走ることもあるのだが、今回はそこから向きを変えてゴール方向に自分で走った!

 しかしそこに垂直方向に伸びるのは、くぐるための大きな箱。足が4カ所くらいについている、平べったい箱がいくつか置いてあるのだが、もちろんそんな物は日頃自分の学校にはないから他の物で代用して練習するしかない。小学校ではハードルをくぐっていたSだが、その箱を見るなり、まずは『手でたたいてチェック!』…その後、なぜか箱に登りたくなって足を上げようとするが、突然「やーめた!」とばかりにゴール方向に対して垂直右に逃走! すごいスピードで介助の先生が追ってきて、コースに戻して箱の下に入れると、嫌そうに(笑)それをくぐった。

 しかし、その次も予想通り。くぐり終わったところで先生が右に待機していると、今度は左に猛ダッシュ! 

 必死で追いかける先生と反対側から助けに駆けつけた先生とに捕獲され(笑)、コースに戻る。最後はまるで何事もなかったかのように跳び箱を乗り越えてやっとゴール! 

 なんとなく、「あそこにいつかゴールしなくてはいけない」とわかってきただけでもまあ成長したと言えるか…。

 終わった後に、「S君、足速いですねえ。」と声をかけてくれたクラスのお母さんがいたのだが……実は、Sが速く走ったのは『コースから逃走した時だけ』(笑)なのであった。



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